クリスマスの中断期間が明けて、2試合順調に勝利していた中、2人のチームメイトが去り、新たにチームメイトの追加招集。胸騒ぎ。あっという間に時は過ぎ、5試合勝ちなし。監督とコーチは責任を感じ辞任。新しいチームとなった今。私の居場所がない。
多くの誘惑
カナリア諸島は、ブラジルの次にカーニバルが有名だそうです。なので、1月後半から3月後半まで、話題はカーニバルのことばかり。
私達の体育館は市が経営しているものなので、祝日は使えるとしたら午前中しかありません。
練習が大嫌いなチーム。もちろん練習は休みです。大切な試合が今週あるのに、たった2回の練習。練習すれば良いって問題ではないですが、さすがに、この状況は酷いと思いました。
対戦相手は、1位のチーム。勝てば昇格に向けて大きな一歩になるはずが、それでも話題はカーニバル。何の衣装を着る?来週はどこのカーニバルに行く?話題は毎日つきませんでした。だって、今までだって練習しなくても勝ててたんだから。
彼らが遊ぶことが好きなように、私はハンドボールが好きなんです。その好きなことを仕事にできているのに、その時間さえ奪われていました。
だったら1人で練習するしかない。トレーニングを手伝ってくれる人を頼り、一緒に練習をしてもらっていました。だけど、結局一人で焦っているだけで、チームの士気は変わらず、4試合があっという間に過ぎました。
続く負け試合
4試合終了時点で、1試合も勝つことができず、負ける度更衣室で飛び交う怒鳴り声。
何かを変えなければいけない。そう訴える選手。原因は目に見えて分かっているのに、そこを見ようとせず、いや むしろ気づいてないのかも分かりませんが、この状況になっているのは明らかにハンドボールに対する意識の低さでしかなかったです。
でも、各自が全部人のせいにして、結局何の解決にもならず5試合勝ちなし。1巡目で大差で勝っていたチームにも敗北。ホーム戦では、観客から罵声が飛びかっていました。応援されないチーム。自分達より下の順位のチームに負けた後、監督は何かを変える方法として、このチームからの辞任を選びました。
新しい監督が来て、その5日後には試合の為、毎日2部練習が始まりました。週4回の練習がいきなり倍になり、身体は筋肉痛。皮肉のように、ミヅキは嬉しいでしょ?こんなに練習ができて。と、チームメイトから言われました。
私だって、毎日2部練習がしたかったわけではありません。一日のたった1時間半の練習。もっと真剣にハンドボールに向き合って欲しかった。だけど、もう遅かったんです。
変わりたい、でも変われない
5試合勝ちなしの中、3週間の中断期間に入りました。そこで、監督は全てを変えると言い、フィジカルトレーナーも加わりました。残り1ヶ月半、残り3試合の為に。
フィジカルトレーナーは、私が三重バイオレットアイリス時代に櫛田さんとやっていたような練習を取り入れていて、ここにきてやっと本格的な身体づくりをチーム全体でやることができました。少しだけですが、その人との練習は、みんなが一生懸命やっているのが感じられました。だけど、何度も言います。もう遅いんです。
3週間の中断期間が終わり、チームが新しくなったようなそんな感じがする中のホーム戦。なんと、2位のチームに勝利することができました。
あと1試合勝てば、4位以内に入り、昇格戦に行ける。チームは大盛り上がり。でもここでも不安はありました。勝ったから、2位のチームに勝ったから・・・やっぱり気は緩みました。
次戦はこのランサローテ島にあるチームとのダービーでした。私たちは4位、相手は5位。昇格戦に行く残り1枠をかけて戦います。相手チームのホーム戦。彼女達は応援されるチーム。多くのチームが彼女達のホーム戦で負けています。
きっと2位のチームとの試合より、難しくなるであろう。そう分かっていました。でも、勝ったから。どことなくチーム内で大丈夫。という気持ちがあったんだと思います。私自身の調子は、新しい監督になってから、センターとしてここにいる意味を感じられず、一昨年味わったクロスだけをしていれば良い役割になっていました。ただ違うのは、クロスをしたところで、点が決まらないところ。パスが回ってくる時は、シュートが打てなくて困っている時だけ。背が小さい私は居場所をなくしました。
同じことの繰り返し
1試合勝てば気が緩み、勝ち続ければ練習をしなくなる。負ければ誰かのせい。この一年これの繰り返しでした。結局ダービーは3点差で負けてしまい、2点差であれば可能性があったものの、自力での昇格戦への進出は無くなりました。
特に長時間出場していたわけでも、大きなミスをたくさんしたわけでもなかった私に試合後GMは、「さっさと荷物を準備しろ」そういう言って、その場を去っていきました。残り1試合。
最初から言っていました。もっとハンドボールをしよう。もっとチームメイトにリスペクト精神を持とう。やらないといけないことは、やらないといけない。それが嫌いなことでも。もっと走ろう。もっと真剣にハンドボールに取り組もう。
そういったことを言っていたけど、結局あなたは変わり者。頑張れば頑張っただけ笑われる世界。そして最後には、出ていけ。と。
いろんな意味で苦しかったシーズンでもありました。自分が思うようなことは何一つできていない。自分が想像していた未来は何一つ叶いませんでした。何を期待していたのか。期待した自分が悪いんです。
ただただ、ハンドボールがしたかった。それだけなのに、その時間さえも奪われていました。
残り1試合
最後の1試合を残してこの記事を書いています。この記事が出る頃には、結果が出ていると思います。少なくとも笑顔で試合を終えていることを祈って。
とは言え、ランサローテ島はとても素敵な島なので、そこで美しい景色を見ながら元気に生活しています。
次の記事で、今シーズンの振り返りの続きをしたいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。