スペインで過ごした1シーズン-細江みづきのハンドボール生活
少し期間が空いてしまいました。その間にいろいろな経験をし、いつの間にか1シーズンを終えていました。そんな過程を今回は記事にしました。
良いことも悪いことも、たくさんあった1シーズン。どうか最後までお付き合いください。
挑戦ができない。チャンスさえない。そして、シーズン終了
今シーズンのスペインリーグは、新型コロナウイルスの関係で16チームを2グループに分けてホーム&アウェーの2試合をそれぞれ実施。そしてその結果の
- 上位4チーム
- 下位4チーム
同士で再度チームを分けて試合を行い、総合順位を決めるというやり方でした。
前半戦を終えて、私達のチームはBグループで2位。4月から5月末までの後半戦に向けて更なるパワーアップを求めて練習をしていました。
前半戦を2位で終えて迎えた後半戦。出場時間の減少
そして始まった後半戦。今までと比べ物にならないくらい、私の出場時間が減りました。
「なぜ?」
怪我をしたわけでも、チームの練習を怠っていたわけでもありません。
毎試合30分はあったプレータイムが
15分になり、
10分になり、出ない時はありませんでしたが、かなりの変化に私自身戸惑いしかありませんでした。
練習ではいつも通りなのに、試合になると1つでもミスをしたら交代。ミスを恐れてプレーする時もありました。この時期は本当に辛かったです。
特に私が変わったわけでもないから理由が分からない。そう思い、監督に質問をすることにしました。
なぜ試合に出れないのか。監督に聞いてみた
「なぜ私は試合に出れないのか」
監督の答えは、
「君は力が弱いから、DFができない。だから試合に出せない」
と。私は小さいけれど、運動量を活かし、大きい相手に負けない工夫をしていたつもりでした。
確かに、かなり体格の良い選手とマッチアップすることが上位のチームになればなるほど多くあります。
「やってみなければ分からないじゃないか」と監督に話しましたが、数試合は特に変わることなく、プレータイムが少ないまま私には挑戦するチャンスすらありませんでした。
これがプロの世界なのか?
このままではいけないと思い、OFを重視していた練習も、まずDFに入るようにしDFでの戦術理解に重点を置きました。
コミュニケーション
今まで自分の中で解決していたことも、
私はこう思っているけど、これでいいのか
と小さいことでも監督やDFのペアと確認をすることにしました。
そこから少しずつですが、プレータイムも増え、前と同じくらいもしくはそれ以上に試合に出ることができました。ただ、その時点で残り数試合しかありませんでしたが。
そして、初めてのスペインリーグは総合3位という結果でシーズンを終えました。
今思い返しても後半戦はDFのこと以外にも本当にいろんなことがありました。
試合中のジェスチャー1つで監督と意見が食い違い試合に出れなくなったり、ハーフタイムにDFの確認に行ったら、もう試合に出さないから関係ないって言われたり、信頼を得るために何をしたら良いんだ。
と監督に話しに行ったこともありました。
もっともっと何かできたんじゃないか。そう悔やむこともあります。
でもこれが今の実力ですし、学んだこともたくさんあります。挑戦するチャンスがない時の悔しさは本当に計り知れないものですが、そこを経験したからこそ、戦いに行く時の気持ちの強さは、細江至上最強になっているのではないかと思っています。笑
原因を追及し、アクションを起こすことの重要性
原因を追及し、アクションを起こすことは、これからも大切にしていきたいと思います。
いろんなことがあった後半戦でしたが、ずっと気持ちが強かったわけではありません。
チームメイトが私の心の支えでした。
辛い時期も、話しを聞いてくれて、気分転換にいろんなところに連れて行ってくれました。
最初こそ、全く違う人種でもある為、理解できない部分も多くあったそうです。(最近聞きました。笑)でも今は何かある度、まず話しを聞いてくれます。
人のこととか興味ないんだろうなって勝手に思っていましたが、私の仲間は全然違いました。そういった仲間が周りにいたことで、1シーズン自分なりに終えることができたんだと思います。
10カ月のスペインハンドボール生活で感じたこと
1シーズンを終えて、ハンドボール面では、
- 監督の戦術を理解すること
- 1:1で前を狙い続けること
- コンビプレー
私はこの3つが重要だと感じました。
戦術理解は当たり前ですが、言語が違うからこそ細かく聞く必要があり、監督だけでなく、同じポジションの人や長年そのチームでプレーしている人と話すことも戦術理解の手助けになりました。
1:1で前を狙い続けることは、小さい私が生き残るための術です。
それとコンビプレーは、めちゃくちゃ武器になります。チームの武器にもなるし、1人では厳しいところも、こじ開けられる可能性が上がります。
試合会場で声が全員に届かないことがあっても、2人が分かっていれば良いことなので簡単に実行することができました。
生活面は、やっぱり人との関わりが本当に大切です。結局ハンドボールをしている時間よりも普段の時間の方が長いので、この時間を有効に使う為にも、いろんな人と関わり、住みやすい人間関係を作ることで、必要な言語の上達にも繋がるし、人生が豊かになるんじゃないかなと思います。
私自身、知り合いが増えて、毎日楽しい時間を過ごすことができていました。
他の人に聞いたら、他の意見があると思いますが、私がここで生きた10ヶ月で感じ、大切だと思ったことです。
今後の活動について。スペインに残ります!
最後になりましたが、2021/22シーズンもRocasaGranCanariaでプレーすることが決まりました。
来シーズンもスペインリーグでプレーできることをとても嬉しく思います。
2020/2021シーズン、多くの方のサポートがあり無事に終了することができました。
本当にありがとうございました。
感謝の気持ちを忘れず、来シーズンに向けて心と身体の準備をしていきたいと思います。
以上「スペインで過ごした1シーズン-細江みづきのハンドボール生活」でした。最後までありがとうございました。