SNSが飛行機を動かした!島から世界へ。ハンドボール選手の育成
約1ヶ月の中断期間を終えて、試合が再開しました。
スペインリーグだけでなく、EuropeanCupとカップ戦の予選等も加わり、1週間で3試合あることも。ほとんどが、アウェーでの試合になる為、移動移動の日々です。
愛されているチーム、歴史のあるチーム
1/12(火)に、EuropeanCupに出場するために飛行機でボスニアに向かう予定でしたが、前日のマドリッドでの大雪の影響で空港でなんと7時間も待機。そしてその後欠航が決定されました。
次の日の便もないということで、この時点で金曜日の試合には間に合わないことが決定・・・。
試合を土曜日だけにするか、土曜日と日曜日の2日間変更してもらうかの交渉が始まりました。
その日、家を出て空港に向かったのが17時。欠航後帰宅したのが2時。
もしかしたら、飛行機があるかもしれないから、準備をして朝8時の連絡を待つように指示されたのですが、結果は行けないとのこと。
しかも、もしボスニアに行くことができなかったら負けが決定することになりました。
そして朝の連絡から2時間後、
- ボスニアに行く為
- 航空会社のBiterへ直行便を出して貰う為
SNSでの呼びかけが始まりました。
なんとわずか1時間弱で、次の日に出発することが決まりました。カナリア諸島の政府が費用を協力して下さったようです。
詳しくは分からないですが、凄いことであることは間違いなく、その日の練習にはTV撮影がありました。
RocasaはSNSでの発信がとても多いチームです。TwitterやInstagram、Facebookを利用し、すぐに多くの人に拡散されています。
裏で凄いことが起きているのに、全くそんな気配を見せることなく、沖縄行きたいな~とか、ボスニアのご飯美味しいよとか、スタッフはいつもと変わらない雰囲気でした。(ちなみに1日1回は「Okinawa~」って言っています。笑)
無事試合にも行くことができ、2勝し帰国しました。
たった半日でチームにとっての最善を尽くしてくれたスタッフ及び、協力して下さった多くの人達、このチームがどれだけ愛され、応援されているかが分かりました。
前回の記事でも書いた体育館の隣りのカフェテリアには、Rocasaのこれまでの選手の写真やメダルが飾ってあります。練習後に立ち寄ると、おじさんが歴史を教えてくれました。
Rocasaは、ジュニアのカテゴリがとても多く、6歳くらいの子から育成をしています。
だから、私達のチームもほとんどの選手がカナリア諸島出身です。これだけ、地元の選手がいるチームは珍しいことだそうです。日本で考えても本当に珍しいと思います。
同じ体育館で時間ごとに練習をするので、よく下のカテゴリの子達を見ているのですが、日常的に男子と女子で試合をしたり、上のカテゴリと試合をしたり、私達とも試合をします。15歳の子達が、恐れることなく立ち向かってくるので、本当に凄いと思います。監督もOBやOGで昔Rocasaで活躍していた人が多くいて、こういった環境素敵だなって思いました。
疲れはない?スペインハンドボール選手たちの真の強さ
本土への移動は、必ず飛行機です。基本的に夜が試合なので、その日の朝に移動をしています。
行きの飛行機がうまく取れなかった時は、乗り継ぎで試合会場へ。
バルセロナで試合があった時は、約9時間の移動後、ホテルに到着したのは、試合の2時間前。
30分後には会場へ向かうという過密スケジュールでした。足の浮腫みや疲労も溜まるので、私はReaLineの靴下を履いたり、Refaでマッサージしたり、歳も歳なので、意識していろんな工夫をしていました。
一方みんなはというと…本当に何もしない。笑
大丈夫!?って思うくらい、平気そうです。バスでは音楽をかけて歌ったり、ホテルでは30分しか時間がないのに、カフェしてました。笑
それでいつも通りプレーできているので、どうなってんだって。むしろ私の方が、身体が重そうでした。考えすぎない方が良いことなのか…
上位のチームとの試合はとても面白いです。
勝負がかった時に、個々の強さを感じます。いつもふざけたり、冗談ばかり言ったりしている選手達が、試合になるとめちゃくちゃ強くなります。
この選手にボールがいけば、決めてくれるっていう雰囲気もあります、そんな選手がたくさんいるんです。パスくれって、そこらじゅうから言われます。改めてそこで私の弱さを感じます。
- もっとああすれば良かった
- もっとあれがしたかった
試合後いつも反省ばかりです。でも、良い意味でまだまだ成長できると思っています。1つ1つの経験を大切にしていきます。
不安だった偏見ー世界から見た日本
Granollersというチームと試合をした時、監督に挨拶すると日本語を話してくれました。
日本語が話せるとは思ってもみなかったので、びっくりです。
北海道にいたことがあるとのことで、日本はスペインの次に大切な国だって言ってくれました。本当に嬉しいです。
試合後、相手チームの人達も話しかけてくれて、カタコトの私の話しをゆっくり聞いてくれました。ここでも、
あなたはスペインが好き?
カナリア諸島は好き?
って聞かれました。スペインに来て、もう何十回も聞かれています。なんでなんだろう。
そして、ブラジル人の子もいて、おじいちゃんが日本人だって教えてくれました。だから、私は目が小さいの。って。笑
チームメイトに、おじいちゃんが日本人なんだって!って伝えると、だからあの子は目が小さいのか!って。だからじゃないよって、しっかり怒っておきました。笑
平気で悪い言葉言ったり、アジア人は~とか、言われますが、全く悪気がないのを感じます。偏見もありますが、その人のことを知らずに毛嫌いしたりする人達じゃないのが分かるし、1人の人として、国や人種が違っても接してくれるので温かいなって思います。
男子の世界選手権も開催されており、日本が勝ち進んでいることに対して、監督もチームメイトも驚いています。どんなイメージを持っていたか知りませんが、未だに信じてない人も。笑
日本の良さがどんどん伝わってほしいです。そして、異国に来て感じる、日本の豊かさ、日本の素晴らしさ。母国愛が増し増しです。日本を代表して戦っている代表選手を、心から応援しています。
以上「SNSが飛行機を動かした!島から世界へ。選手の育成」でした。最後までありがとうございました。