2週間のクリスマス休暇も終わり、リーグも2周目に入りました。
少しだけ変わってきたチーム。そしてどんどん下手になっていく自分。上手くいかないことしかない。そんな中での怪我。自分はここで何をしているのか。孤独を感じる日々。
そんな時に助けてくれたのは、去年の仲間でした。苦しい今を乗り越えるには、仲間が必要だった。リラックスする時間が必要だった。初めて来たスペインで築いた絆はとってもとっても深かった。
いつの間にか、一生大事にしたい仲間になっていました。
空回り、上手く行かない日々
2週間のクリスマス休暇。私にとっては、夏に3ヶ月のオフがあり、やっと身体ができてきたところでまた中断。
リーグのチーム数が減ったので、試合数も減るのは当たり前でしたが、終わる時期は、去年と一緒。1ヶ月遅れで始まったところで、中断期間がこんなにもあるとは思ってもいませんでした。
休暇中も体力や筋力を落とさないようにとトレーニングはしていましたが、なかなか個人でできることに限界もありました。ただ、確実に言えることはチームの誰よりもトレーニングしていたことは確かです。他の子がやらなさすぎなんです。笑
それが偉いとか頑張ってるね。ではなく、そうでなければ、何をしにスペインに行ったんだ。ってことになるので。
やっとチームの全体練習が始まったと思えば、あんなに1人でトレーニングしていたのに、練習3日目でふくらはぎの肉離れ。
チームメイトからは、練習しすぎだよ。と言われました。(練習しなさすぎたんだよ。)
やっとハンドボールができると思ったさなかの怪我。幸いそこまで重症ではなかったのですが、2日は休んで、その週の試合は出ても10分だけと言われていました。ただでさえ少ない試合数で、これまた試合に出れないとなると…1試合だけなんだからと言われても、その1試合出れないことが自分の中で許せなかったです。
1試合も失いたくないと、言い続けていましたが、怪我はそこまで良くなることはなく、結局試合も10分程度の出場時間でした。でもここでウジウジしている訳にはいかなかったので、次の試合に向けて、自分の中で切り替えて、今以上に集中して、試合に臨みました。
中断明け初のホーム戦
今は日本にいる時以上に、ホーム戦でどれだけ観客に楽しんでもらえるか。そんなことを考えてプレーしています。レベルも低い分、観客も少ないです。なので、私にとって、とってもとっても重要なホーム戦。
誰かの初めて観るハンドボールの試合が楽しいものであってほしい。
そんなことをスペインに来て、強く感じるようになりました。実際、初めて来てくれた人が、次のホーム戦にも来てくれたり、更に友達を連れて応援をしに来てくれたりしています。小さい島だからこそ、そういった連鎖がすぐに起こります。だからこそ大事にしているホーム戦。
勝つことは当たり前だけど、それ以上に何かを感じてほしい。そう思っています。
怪我明けでフルでできるはずだった試合。途中交代。大差で勝ってはいましたが、なかなか納得のいく代わり方ではありませんでした。
そして、中弛みしているような試合展開。観ている方が飽きてしまうような、全然すっきりとしない試合で終わりました。私は、悔しくて悔しくて、自分の思いを伝えました。
こんな試合をやっていていいのか。私は観客に楽しんでもらうことが大切だと思う。と。だけど、返ってきた言葉は、そんなことは考えなくて良い。観客は言いたいことを言っているだけなんだから。勝つことだけを考えていたら良いんだよ。と。
プロとは
お金をもらってプレーしている以上プロだと思って、ハンドボールをしている中で、勝つことだけを考えていればいいのか。このチームで、私はいろんな人から、あなたは凄くプロフェッショナルだ。と言われます。
日本リーグの選手が見たら、私がしていることは、とってもとっても当たり前なことで、ほとんどの人が取り組んでいること。
練習の少し前に来てアップをすることや、自分の身体のケアをすることなど。そんなことをしているだけで、ここではプロ扱いをしてくれます。そうなんです。当たり前のことが、ここでは当たり前じゃない。
前の記事でも言いましたが、頑張れば頑張っただけ笑われる世界なんです。
プロフェッショナルと言ってくれる人はまだ良いです。私のことを変わり者と言ってくる人もいます。変わり者ではありますが、私にとっては、そんなこと言う方も変わり者です。笑
そんなこんなで、なかなか上手くいかない日々が続いていました。そして、またリーグの中断。6日間の休みが与えられました。せっかく6日間もあるし、違う国に行こうと思っていましたが、なんせここはカナリア諸島。スペインですが、ほぼアフリカにいるようなもの。良い感じの飛行機が見つからず、結局この島にいようと思っていましたが、せっかくなら、去年いた島に、去年のチームメイトに会いに行くことにしました。
自分の居場所と大切な仲間たち
休みだしって軽い気持ちで、去年のチーム行こうと思いつき、それが結果として大正解でした。
今の島から飛行機で45分。こんなに近いのに、なんで行かなかったのか。そこには、私の大好きな仲間がたくさん待っていてくれました。
私の話しをたくさん聞いてくれました。本当にたくさんの人があたたかく迎えてくれて、大丈夫?元気?って、たくさんの人が心配してくれていました。
会えて嬉しいと、たくさんの笑顔で迎えてくれました。「ここは、あなたの家だから。」って。初めての海外生活がカナリア諸島、グラン・カナリア島で本当に良かったです。
最初は、スペインって聞いてたのに、アフリカやん。って何度も思ったし、何にもない島だな。ってつまらなく思っていましたが、そこを去ってみて更に気づきました。とっても素敵な島だし、なんと言っても、本当に素敵な人達に出会えた場所でもありました。
たった2年間でしたが、こんなにも帰って来たいと思う場所ができたことを本当に嬉しく思いますし、待っていてくれる人がいることが凄く嬉しいです。
そして、やっぱりチームのレベルも高く、そんな姿を見て、このままじゃダメだって気づかせてもらうことができました。今のままじゃ、この子達と戦うことさえできない。自分の怠けていた部分に気づくこともできました。私にはこの時間が必要でした。たった数日でしたが、自分の人生がまた変わったような、そんな時間を過ごすことができました。
あっという間に時間は過ぎます。たくさんの間違えた選択をしても、他人をどうこう言ったところで、過去と他人は変えることはできません。
今できること。今自分にできること、今自分のしたいことを楽しみたいと思います。未来のために。