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ーそれでもここで戦わなければいけないー

ーそれでもここで戦わなければいけないー

アスリートインタビュー

細江 みづき

プロハンドボーラー

2024.01.12

2023年の試合が終わり、7勝1敗1分。
苦しい時期乗り越えて守りきったリーグ内1位。決して、決して簡単ではなかった。多くの選手が涙するチーム。

涙を流すことは悪いことではない。

鳴らない笛、大事な選手の怪我

12月の中旬2023年の最終戦を終えました。プレシーズンから、5ヶ月。長いような、短いような。

チームの現状は、オフェンスでは、継続を求められるので、スペイン1年目とは違い、ワンクロス後にシュートを打つ選手はいません。サイドまで繋いで、継続。フォーメーションは最後まで。スペースがあくまでパスをし続ける。スペースがあれば、ノーボールの動きでポストに入る。
そんなハンドボールを求められています。

わたしとしては、ポストとの2:2、1:1を武器にしていたので、全員がノーボールで動き続けると、スペースがないように感じ、上手く対応できず、悩んだ時期もありました。でもそこは、監督や選手と話し合い、やりたいように、変えたり、わたしも対応するようにして、なんとかオフェンスの形ができてきつつあります。
ポストの子とも、たくさん話し合い、お互いがやりやすいように、お互いのことを尊重して、コンビプレーが自然とでるようにまでになりました。

そんな中での彼女の怪我。当然、彼女が1番辛いと思いますが、わたしもショックでした。やっとできてきたのに。

それでもリーグは続きます。その子がいない試合、もう1人のポストの子が頑張りました。チーム内のMVPにも選ばれました。さまざまなポストプレーヤーがいる中、私はそれに対応ができず得点も減り、悩む1ヶ月が始まりました。

そして試合では、ボールを持っていないのに突き飛ばされたり、後ろから羽交い締めにされ押し倒されたり、横からタックルの様なことをされたり、それでも審判は相手の退場を取ってくれません。イエローカードさえありません。もっと酷いと、OFファールを取られます。スタッフからも、ファールを取ってもらえないんだから、もっと足腰強くするか、プレースタイルを変えなさいと言われます。

横後ろからのタックルをどうしのぐのか。

スペインの1部でやっていた時よりも、明らかに今の方がハンドボールが難しいです。思ってもみないとこから突き飛ばされるんです。試合中もそんなストレスを感じながらプレーすることも増えました。だけど、他人・審判を変えることはできません。自分がいかに対応するかでしかないんです。

少しの休暇

前半が終わり、10日間のオフがあり、一時帰国しました。1・2年目は、冬に休みがなく、昨年は家族がスペインに遊びに来ていたので、4年目にしてシーズン途中の帰国は初めてでした。

帰る前から、食べたい物を考えたり、どこに行くか考えたり、何だか日本にいる方が楽しくなっている自分もいました。3年間カナリア諸島にいたので、冬を過ごすのは3年ぶりです。ただでさえ、暑いのにも寒いのにも弱いのに•••。

5ヶ月ぶりの帰国でしたが、久しぶり感もなく、ずっと夢みごこちな休みになりました。スペインが割りと暖かいのか、日本の冬はとても寒かったです。チームメイトからお願いされていたお土産もしっかり買って届けました。日本酒も飲んでもらい、とっても不評。笑
いろんなお菓子がある中、わさビーフが意外と人気だったことにびっくりしました。お土産におすすめです。

スペイン滞在4年目

 スペインに滞在して4年目になりますが、まだまだ言葉の壁もあります。辛いことやしんどいことなんて山ほどあります。今年は本土に移住したことで、また違ったタイプのスペイン人にも出会っています。行く場所行く場所、いろんなタイプの人がいることを実感しています。でも共通して言えることは、「言わなければ伝わらないっていうこと。」「自分が思っているよりも、相手は私のことを考えてはいないということ。」

表情で気づいてもらおうや、態度で気づいてもらおうなんて、本当に繊細な人か、よっぽど気にしいな人しか感じてくれません。

だから、私も思ったことは言うようにするし、でもその中で別に言わなくても良いことは自分の中に落とし込めたりもします。それが、自分が思っているよりも相手は私のことを考えていないというところにも繋がります。

例えば、ちょっと強く言いすぎた時や態度に出してしまった時、昔だったら、あーやっちゃった。とか思っていましたが、練習後普通に話しかけてくるし、冗談も言ってくるし、その瞬間はお互い嫌な気持ちにはなるけど、それをいつまでも引きづることはありません。あとでまだぐちぐち言ってる子がいたら、よっぽど気に入らなかったんだなーと思うだけです。

良い意味でも悪い意味でも、自分のことを一番に考えているスペイン人に囲まれて、うまく行くこともあれば行かないこともある。全部が全部うまく行くわけじゃないことくらい分かってはいるけど、やっぱり4年経った今も、こうして記事ではうまいこと書いていますが、悩む時はたくさんあります。涙を流すこともあります。このチームは涙を流す選手が特に多いです。だけど、それは悪いことじゃないって。それでスッキリするなら我慢しなくても良いって。全てを吐き出すって大切なことだと学びました。私自身も少なからず、前に比べて喜怒哀楽は強くなった気もします。それも良いことか悪いことか分かりませんが。笑

さいごに

年が明けると、来シーズンのことを考え始めます。

どこにいるのが最適なのか。どこにいたいのか。どこにいるべきなのか。母国を離れて、一人違う地にいること。最近は少し寂しさも出てきました。笑

今しかできない経験ができているのだから、自分が一番やりたいハンドボールができているのだから、後悔のない選択をしていきたいと思います。

アスリートインタビュー
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