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スペインの歯医者は3万かかる!?そして怪我・・・

スペインの歯医者は3万かかる!?そして怪我・・・

アスリートインタビュー

細江 みづき

プロハンドボーラー

2020.10.20

スペインの歯医者は3万かかる!?そして怪我・・・

 10月に入り秋が始まりましたが、未だに海には入れます。ちなみに冬も日中は入れます。

そうです。1年中泳げます。

今でも昼間は30度近く行くことも…でも、朝夜は夏でも絶対に長袖が必要です。不思議な気候ですね。

まさかの出来事。珍事件。歯が取れた?

5年程前に治療したオールセラミックのブリッジの歯が欠けました。半永久的なものだと思っていたので、かなりの衝撃です。そして、まさかスペインでこんなことになるとは思ってもいませんでした。

最初は少し欠けただけだったので、マネージャーに話し、徒歩5分で行ける歯医者へ。前回の記事で歯医者が大好きと書きましたが、さすがに異国の地での治療には抵抗があります。

ですが、欠けたところを埋めるだけだったので、その日中にすんなりと終わりました。きっと日々、自分より力の強い相手とプレーすることで噛み締めることが多くなったのと、固いパン(自分で作ったどこのパンよりも固いパン)を食べていたから、弱くなっていたとのだと思います。

新しくブリッジを作ることも考えましたが、このまま何もなければ治療しなくても良いかな・・・と思っていた10日後。チームメイトと遊んでいた帰り、歯が取れました。数日前からヒビが入っているような気はしていましたが、大丈夫だと甘くみていたらガムにくっついて取れてしまいました。チームメイトと大爆笑して、ネタになりましたが、これは困った・・・。

ガムで取れた歯・・再治療へ

慌ててマネージャーへ連絡し、ブリッジを治さなくてはいけないと思い、今度は近くの歯医者ではなく、領事館の方に聞き、日本人の方も通っている少し都会の歯医者へ行きました。ブリッジで3本歯が繋がっている中の1本が欠けて、その部分が舌に当たって痛く、尖った部分を削って欲しいとお願いをしました。

設備もしっかりと揃っていたので心配はしていませんでしたが、麻酔なしでゴリゴリ削り始めて、痛かったら手を挙げて方式もなく、痛いよ?痛いよ?と訴えても、痛いよね~と治療を続けていきました。笑

治療が終わっても尚痛くて、でもだんだんと痛みは和らぐから、2時間経ってもまだ痛かったら連絡して!と言われました。

結局2時間経っても5時間経っても痛かったので、連絡をしてもらいましたが、回答は虫歯ができているから治療しなければいけないとのこと。でも今日はできない。

そして3万円以上かかると。スペインでは、保険がないのか、きかないのか、申請が難しいのか、私の場合、簡易的な治療で1回約1万円かかりました。

近くの歯医者で治してもらおうと思いましたが、1週間後にしか治療できないと言われました。軽く噛むだけでも痛いのに、これを1週間・・・。

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3日後には、試合があるのに・・・。もう我慢するしかないと諦めていましたが、マネージャーが歯医者を探してくれました!腕も良くて、友達が知り合いだから安くしてもらえるとのことで、次の日にそこの歯医者へ行くことに。

そして、午前中に検査をして、午後に治療してもらうことができました。午後は1人で行きましたが、10分前に着いただけなのに、凄く怖い顔をした男の人が出てきて、

何時に予約したんだい?!

と、めちゃくちゃ怖かったです。3時だよ・・・。と答えると、時間を確認して、入れてはもらえましたが、対応はされず。

その後、お昼休憩を終えた人達が戻ってきて、治療が始まりました。この歯医者では、痛かったら手を挙げて方式がありました。笑

治療が始まる前とか合間は、歯科医の方達は歌ったり、大声で話して笑ってたり、おもろいな~と思いながら、治療を終えました。

日本では、やったことのないような治療だったので、麻酔が取れた後が心配でしたが、痛みもなく、治療してくれた医院長も、日本語で知っている言葉を話してくれて、終始楽しく過ごせ、ここで治療して貰えて良かったと思いました。次の治療について最初に会った怖い顔をした男の人と話すことになりました。

話してる時も怖かったのですが、ハンドボールをしていること、ロカサでプレーしていることを話すと、まさかのチームメイトも通っているとのことで、一気にファミリー感満載で話してくれました。

彼と打ち解けることができて良かったです。いきなり親近感が湧き、今では治療している部屋に来ては、携帯でスペイン語を日本語に翻訳した機械的な音声を聞かせてくれます。

「今日、彼らは橋を作る為の型をとります・・・。」

型を取っている最中に、耳元で聞かせてくるので、動いたらいけないのに、歯科医の人と爆笑です。日本語を話す練習をしながら去っていきました。ありがたいですが、治療中は止めて欲しいです。笑

無事にブリッジが完成されることを祈ります。

そうそう、歯医者さん側から次の治療日を決める電話が掛かってくることにびっくりしました。〇〇日〇〇時で良いね?!良いね?!って。

まさかの出来事続き。初めての経験ばかり。

どれだけ気をつけていても、怪我をしてしまう時はあります。怪我をした人の話しを聞くと、調子が良かった時に怪我をしてしまったという方が私の周りでは多くいました。

スペインリーグが開幕し、2試合が終わり、次の試合まで3週間期間が空きました。次の試合は、今まで戦った中で1番強いチームでもあり、これから上位争いをするチームなので、私自身めちゃくちゃ気合いが入っていました。

ロカサの男子チームと練習試合をしたり、試合が近づくにつれて、コンディションも上がっていました。でも、心の中では、

「私は調子が悪い。私は調子が悪い。だってあれできてないじゃん。」

と、常に念じていました。おかしな子のようですが、いたって本気です。笑

相手チームの研究も今まで以上にしていました。そして、いざ試合へ。その日は、なぜかずっと足首が気になっていました。

だから、アップ前やアップ中も足首を中心に足のストレッチを行っていました。でも、不思議ですね。予想が的中。

1プレー目で、相手のプッシングにより、左足首を90度に捻り捻挫をしました。(動画6分30秒程)

私達のチームは、リーグ戦でアウェーの時は、監督と選手しか試合に行きません。でも、どうしても試合に出たかった為、相手チームのトレーナーの方がテーピングを巻いてくれました。再びコートに戻りましたが、外側が痛いと思っていたら、内側の方が痛くなってきた為、逆ですうううううと、またトレーナーの方を呼び、巻き直してもらいました。そして再びコートへ。

でもやっぱりダメでした。トレーナーの方にも、あなたはプレーできないと思う。と言われました。

この試合を楽しみにしていただけに、本当に悔しくて、スペインに来て、初めてみんなの前で大泣きしました。チームは、逆転勝ち。最後まで、冷や冷やの試合で、ベンチの端っこで喜んでは泣いて、泣いては泣いてを繰り返していました。

隣りにいたキーパーの選手は試合中、訳分からない精神状態の私に対し、

「落ち着いて、落ち着いて!」

とずっと声を掛けてくれていました。今思い返しても、選手の集中力をかくようなとんでもない迷惑行為だったと思います。チームメイトに「おめでとう!!」と言うと、

「何言ってるの。あなたもチームじゃない!」

と。また泣きました。チームの勝利は最高に嬉しかったです。

カナリアへの帰り道。空港では車椅子!?

さあ、これからが更に大変です。カナリア諸島まで飛行機乗り継ぎ1回の大移動です。松葉杖を借りることができない為、空港で車イスを借りるまでは荷物を運ぶカートに乗って移動。

その後は、車イスでの移動でした。1番最初に飛行機に乗り込み、1番最後に降りるを2度繰り返し、人生で初めて飛行機からリフトでの移動を経験しました。

パイロットやCAの人のオフモードに加わったり、拍手でお出迎えされたり、もし怪我をしなかったらこんな経験しないだろうなとポジティブに考えるようにしていました。

でも、1週間後にはヨーロッパカップがあります。負けたら終わりの大会です。頭の中では出れないと分かっていても、絶対にみんなと行きたいと思っていました。

それもあり、なかなか笑顔でいることはできませんでした。

土日が休みになる為、家で1人の可能性がありましたが、いつも家にいない部屋っ子(試合中声を掛けてくれていたキーパー)が、困っていることはないかと身の回りのことを手伝ってくれたり、足を冷やす為の氷を買って来てくれたり、友達とのご飯会に誘ってくれたりしました。

家に1人でいると、嫌なことを考えるでしょ?と。この記事も、みんなと翻訳で読んでくれて、

「私達はあなたを知ることができて嬉しい。辛い物が食べたいと思って。」

と辛い食べ物を買ってきてくれました。

彼女は、前十字靭帯をきった経験もあり、ヨーロッパカップにどうしても行きたい。1週間で絶対に治すんだ。とあまりに泣く私に、

「私は6ヶ月以上かかった。あなたは、たった3週間じゃない。今週は、私達は絶対に勝つから大丈夫だから。」

と言ってくれました。本当にそうです。

もっともっと大きな怪我をしている人や試合がなくなりもっと辛い状況の人達がいる中で、グダグダ言っている場合じゃないとやっと落ち着くこともできました。

歯医者に行ったり、病院に行ったり、接骨院のようなところに行ったり、前回の記事で時間はたくさんあります!と言っていましたが、今は大忙しの日々を過ごしています。

松葉杖をついていると、何が起きたんだい!と明るくたくさんの人に話しかけられるので、その反応が面白くて笑顔になります。杖をついているおじいさんも、一緒じゃないか!と、とにかくみんなが明るいです。そして、少しでも歩けるようになっていると、凄いじゃん!っとたくさん褒めて貰えます。

日本で、スペイン語を学んでいた時もたくさん褒めて頂きましたが、こちらでも少しのことでたくさん褒めて貰えるので嬉しいです。

たった2ヶ月半で思ってもみない経験をしていますが、多くの方に支えられ、生きていくことができています。

いつも笑顔でいられるように、いつも笑顔でいる周りの人達のように、大切な1日を楽しく過ごしたいと思います。

以上「スペインの歯医者は3万かかる!?そして怪我・・・」でした。最後までありがとうございました。

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