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ハンドボール、生活、国境の壁を乗り越える-より良い選手になるために

ハンドボール、生活、国境の壁を乗り越える-より良い選手になるために

アスリートインタビュー

細江 みづき

プロハンドボーラー

2021.10.24

スペインリーグ6試合が終わり、5勝1敗。

悪くはないけれど、上手く流れを掴めなくなっているチーム状況。EuropeanCupも始まり、試合数が格段に多くなってきました。

修正の時間がない中での、明確になりつつある立ち位置。自分の得意なことで生き残ること。

昨シーズンとの大きな違い

昨シーズンは、フォーメーションにこだわることが多く、不意に1:1を狙うとメンバーと合わせられなく、何してるんだよ。と怒られていました。フォーメーションを全て完結させてからしか攻めることができない、かつロングシュートが得意な選手が多かった為、私にはパスが回って来なく、攻撃では凄く歯痒い思いをしていました。

反対に今シーズンは、フォーメーションの途中でも、目の前が広くなった時に1:1をしないと、何してるんだよ。とプレーを止めてまで言われます。

そして、もしその後に合わせられなかったら、その選手に対して、合わせて動きなさい。と、監督が伝えてくれます。

私自身もこの世界で生きていくには、1:1しかないと思っていましたが、それをやっと求めて貰うことができました。

特に1:1の場面では、利き腕に抜くことを尽く言われます。元々非利き腕側に抜くことが得意だったので、今はその練習をしています。そして、スペインリーグでは小さい私は、真ん中のDFの退場やカードを取りにいくことも求められています。

梶原さん(三重バイオレットアイリスGM)からドイツのブンデスリーグでそういった役割をしていたというのを聞いていて、こういうことか。と身をもって体験しています。

また、DFでは牽制の駆け引きや5:1のトップDFも任されています。トップDFは長年やってきたので、自信はありましたが、ボール回しの速さや1:1の強さがあるので、かなりの運動量がいります。

尚且つ私達の試合を観てもらえれば分かると思いますが、ハーフ近くまでも牽制に行くシステムなので、10m以上の幅を動き回っています。

その中でのハードな接触・速攻・攻撃と、しんどいですが、求められていることが明確になってくると、ハンドボールがより楽しくなります。

私には、ロングシュートを打つような高さもないし、サイドシュートを打つテクニックもないです。でも、チームメイトも認めてくれている1:1や足の速さ、DFの運動量があります。その良さを存分に発揮できる環境が今目の前にあり、そのチャンスを貰えています。

まだまだ続くリーグの中で、得意なことをもっとコートで出せるように、経験を積んでいきたいと思います。

もっともっと理解しなければいけない言語

実は言語の面では、まだまだ苦労しています。

2年目になると、

「1年もいるのになぜ話せないんだ。スペイン語をもっと覚えなさい。」

と毎日言われています。

だんだんそれがストレスにもなりつつありますが、自分の仕事に最も必要な物なので、勉強しないわけにはいきません。分かっていたつもりでも、少し甘えていた部分もありました。

きっと英語ができていたら、もっと簡単に頭に入っていたんだろうな。と思います。

なので海外挑戦を考えていて、国が決まっていない場合は、英語は絶対にやっておいた方が良いです。これは、2年目に感じた海外挑戦の前にやっておいた方が良いことの1つです。

ちょっとした参考にしてください。きっとみんなもっと私と話したいんだろうなっ!

ありがとうとごめんね

余談になりますが、昨シーズンから気になることがありました。それは、練習中に明らかに横から押したり、退場になるプレーをした時に、謝る選手が少ないこと。

もちろん、全員がそうではありませんが、凄く気になっていました。それに対し、私も怒ることもありましたが、何で怒ってるの?と。おい笑

物の貸し借りをした時も、ありがとう。と言わない人も多いです。確かに日常生活で、あまりありがとう、ごめんねを日本より聞かないなっと思いました。

例えば家の掃除をしてくれていた子に、「ありがとう」と言っても、何のこと?って感じです。

パスキャッチミスをした子が何事もなかったかのようにする態度に疑問を持っていると、他の子との会話で「ミヅキはリアクションを求めすぎなんだよ」と言われ、私の当たり前が当たり前じゃないんだろうなと思いました。

日本では、小さい時からありがとうとごめんなさいを言うように教えられますが、ここではどうなのでしょうか。私が感じるだけでも、日本よりは確実に感謝の言葉は少なく、謝ることも少ないです。

かといって、私の考えをここで押しつけるわけにはいきませんし、私も日本人の心を忘れようと思いません。解決策はないので、あまり気にせずに生活していきたいと思います。笑

最初はどうなることかと思った今シーズンですが、気持ちも落ち着き、順調に日々を過ごすことができています。ホーム戦では、ちびっ子達が一生懸命60分間、壁を叩いて応援してくれます。

昨シーズンにはなかった光景です。練習に行くと、ちびっ子達が「ミスーキー」と言って駆け寄ってきてくれます。自分を認識してくれたことがとっても嬉しいです。

ホーム戦では今のところ負けなし。きっと子ども達の声援のおかげです。

素敵な雰囲気を作り出してくれていることに感謝し、そして、私ができることは、もっとハンドボールを楽しんでもらうこと。好きになってもらうこと。

日本とスペイン、場所は違うけれどやることは一緒ですね。今この場所で私の役割を果たしていきたいと思います。

以上「ハンドボール、生活、国境の壁を乗り越える-より良い選手になるために」でした。最後までありがとうございました。

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