数ヶ月のバケーションを終えて、新チーム始動。今シーズンもいろんなことがもうありました。
そして、スペインの育成世代に参加。スペイン5シーズン目でもやっぱり新しい発見がたくさんあります。
ー現実を見て、できることをやるだけー
7月後半にチームは集合し、新しいメンバーと顔合わせ。昨シーズンから残ったのは、4人のみで10人が新しく加入しました。
若いメンバーが多く、とうとう私が最年長になりました。ちなみに若い選手が多いって、17歳から22歳のメンバーが半分です。25歳以上は、もうベテランです。笑
昨シーズンの終わりに監督から言われていたのは、今シーズンは負けることの方が多いから、私にはメンタルを強く保って、負けても落ち込むのではなく、勝てる試合を見極めて、着実に勝ち点を取りに行くことに集中するということでした。
2部から1部に上がるチームが、1部に居続けることの難しさを知っているからこその言葉でした。全部勝ちたいとか簡単なことを言うのではなく、自分たちの立ち位置を把握して、戦えるところで戦う。また新しい学びでした。
8試合を終えて、3勝5敗。リーグ初戦を除いては、順位争いしているチームには確実に勝つことができ、上位に負けても内容的には悪くない負け方でもあり、チームは確実に成長していると感じました。
もちろん、ここの記事で済むような内容の3ヶ月ではありませんでしたよ。笑
毎年どの監督とも大喧嘩していますが、今年も初回でしっかり。でもそれ以降は、関係は順調でお互いを尊重し、楽しくハンドボールができているのではないかと思います。
監督は辛抱強く、選手に求めることを言い続け、去年からいる選手は私が見ていても分かるほど、上手くなっています。時には、号泣している選手もいますが、数分後、練習後、長くても家に帰れば、けろっと笑っています。
そんなところもハンドボール選手のメンタリティとしては必要だと思います。ちなみに18歳の選手で、普段は右BPをしている子がサイドに入り、何度も同じシュートを打って外していたので、少しはバリエーション変えろって怒られていると、だってサイド分からんもんって怒ります。
違う日は、正ポジションの右BPに入って、シュートも打たずにパスばっかりしていたので、シュート打ちなさいよって私が言うと、だって緊張してるんだもんって。笑 練習で緊張するなよって言うと、だってだってってずっと言い返してきます。
練習試合でベンチに座ろうとすると、ここは私の場所だからあっち座ってって言ってきます。なんなら、椅子がなく私が地面に座っていたり、暑いからってベンチで扇子を仰いでる選手もいます。笑そんな図々しさもスペインならではですかね。
もちろん私も怒る時はスペイン人もびっくりするくらい怒りますよ。笑 怒らないで~冗談だよ~って言ってきます。怒らせないでほしいです。
ー試合に出ることの大切さー
今シーズンから、14歳15歳の代のカテゴリーのコーチに入れてもらいました。週に2回と私たちの試合がない時の試合にしか参加はできてはいませんが、とっても可愛いです。
松ヤニのついてない1号級をなんでそんな速く強く投げられるのか、本当にすごいと思います。この世代も、監督に何か言われたら自分はこう思ってたんだよって、自分の意思を主張している姿を見ます。それが良いことか悪いことかは分かりませんが、日本では絶対に見ない光景だなと思っています。
試合中どの監督も叫び続けています。良いことも悪いことも。静かな監督が本当に珍しい。笑
コートにいる時はめっちゃ怒ってたのに、ベンチ戻ってきたら、よくやった!って褒めてくれます。笑 もはや良かったのか悪かったのか分からなくなります。これを読んでて、本当かよって思うかもしれないですが、本当ですからね。観に来てもらいたいですね!
育成のカテゴリーを今年から見ていて、今の日本の状況が分かりませんが、指導方法の違いとして、少なくても試合に全員が出るって言うのは、スペインはハンドボールの育成として徹底されているかと思います。
もちろん私たちのカテゴリーは違いますが、小学生や中学生あたりはしっかりとされています。1人何分以上でなくてはいけないっていうルールも低学年にはあるみたいです。
勝ち負けではなくて、まずはハンドボールを好きになってもらうっていうところから進めているはずです。サッカー・バスケ・テニスなどなど、多くの人気の競技からハンドボールを選んでもらい、続けてもらうには、というところも考えているのではないかと思います。
そこまで考えているかは知りませんが。笑
そもそもハンドボールという激しい競技を60分間全力でプレーすることは厳しいと思います。
監督も、100%出せなくなったら自分でコートから出てこい。それはチームの為にもなるから、少し休んでからまた試合に出れば良いからと言います。
多くの選手が試合に出て活躍して少しでも長くコートにいたいと思いますが、全力が出せなくなったら、チームの為にも代わるべきだし、同じポジションの選手に託すことも大切だと思っています。
私も、試合中自分で代わりに行きます。昔だったら、監督から呼ばれるまで頑張っていたとは思いますが、今100%が出せる体力がないと思ったら代わりに行きます。
自分より大きい相手に1対1や2対2をかけ続けていると思ったよりすぐに、体力は消耗します。そんなこんなでベンチに戻ると、よく自分で代わりに来てくれた!って大絶賛されます。笑
個人が活躍するより、チームが勝つことが目標ですからね。
ー全カテゴリーでの統一ー
試合で学ぶことはたくさんあります。それが練習試合だとしても。私たちのチームにも、カテゴリーが下の子が、私たちの試合がない時期や人数がもう少し欲しい時は一緒に練習して、練習試合にも一緒に行きます。全員が出ることを大切にしているので、全員でたか?って監督が確認している姿もあります。そして、フォーメーションも全カテゴリーで統一されています。
名前も動きも一緒。各監督によって少し違うこともありますが、私がコーチをしているカテゴリーの子たちも同じフォーメーションを使っています。いつどの世代に参加しても良いように統一されているのではないかと思います。
コーチたちが入っているグループチャットも毎日のように動いており、私たちの監督が他の監督たちに、選手を送ってくれてありがとうと感謝を述べていたり、選手の怪我の状態やチームの試合結果など、逐一報告しあっています。
ちなみに、少しはお金をもらっている監督もいるとは思いますが、本当に少しだけで、ほぼ無料です。みんな他の仕事をしながら、ハンドボールに関わっています。ヨーロッパがハンドボールが盛んって言われていますが、各国によって違います。スペインももっともっと盛んになっていくと良いですが、こちらもこちらでいろんな問題を抱えているようです。
ー地域によって、さまざまなハンドボールー
ルールも各地域によって変わっていたりします。私たちの地域では、小学生の低学年の子たちは、5人コートプレーヤー1人キーパーで、相手の陣地では、ボールをカットしてはいけないというルールがあります。ハーフコートで待っています。10分4セットの各セット勝ち点制です。
又、何歳までのカテゴリーか分かりませんが、前半は必ずオープンDFをしなければいけなかったり、30分ゲームでも、全員が見れるタイマーは25分で止まり、後の5分は審判がカウントするようになっています。時間でプレーをコントロールしないように最後まで戦うという意味が込められているとか。
あとは、昔話したことがありますが、私たちのカテゴリーでも試合の最後の方のタイムアウトで3点以上勝っているチームで、もう負けがないと分かっている中の最後2分を切ったタイムアウトはスポーツマンシップとしてもすごく汚いということで、もしそのタイムアウトを取るとなると相手チームの監督はぶちギレしています。
こういった変わったルールも、ハンドボールを好きになるようにしていたり、スペインならではの1対1、ノーボールでの動きに繋がっていたりしているのではないかと思います。
毎日毎日、たくさんの新しい発見があり楽しんでいます。そんなこんなで、中断期間明けのリーグまであと少し。しっかりと準備していきたいと思います。